谷山です。
今日はちょっと真面目なお話になるかもしれません。
テーマは「空観」(くうがん)です。
では行ってみよう!
色即是空
「空観」というのは仏教的なモノの見方で、宇宙とか世界とかあなたが見るモノに対しての「視点」みたいなモノだと思って下さい。
空観と対となっているスタンスで「仮観」(けがん)があります。
空観を知る前に般若心経の一節の「色即是空 空即是色」についてちょっと知る必要があります。
「色即是空」の「色」というのは僕らが目にしている物質や世界の事を指します。
「色」それはすなわち「空」(何もない)であり、本来何もないモノが物質の実体である、みたいな意味です。
「全ての物質には実体がない」
物質世界を生きる僕らにとってはちょっと信じられない話かもしれませんが、昔のえら~いお坊さんが悟りを開いた視点でこの世界を見た時の事を言葉にしたのが「空即是色 色即是空」なんですね。
空観
「空即是色」の観点で宇宙や世界を見るのが「空観」です。
「空」とは全ての存在を包摂した概念になるので、しっかりと写ってるけどあやふやでもある、みたいなある意味で矛盾を孕んだ思想になります(空観で見れば矛盾すら存在しませんが)
どこまでが自分でどこまでが自分ではないという境界線が無くなるんですね。
もっと言ってしまえば
「全てのモノは空」
として見るモノの見方になります。
お金も健康も家も感情も恋人も時間も空間も全ては「空である」という風に見る事が「空観」と言える訳です。
仮観
さて、「全てのモノは空」という見方が「空観」でしたが、その対となるモノの見方が「仮観」(けがん)と言います。
「仮観」は
「そこに存在するって事は何かしらの役割があるんじゃね?」
という感じです。
映画で言うと
「映画は全てフィクションだよ」という視点が「空観」
「ストーリーの中に入り込んで映画を楽しむ」という視点が「仮観」
みたいな感じです。
僕らから見ると「空観」ってちょっと冷めた目線ですよね(笑)
こう聞くと多くの人は
「私は仮観がいいな~」
と思う人が多いのではないでしょうか?
中観
「空観」と「仮観」について簡単に説明しましたが、この二つの視点の間にあるのが「中観」(ちゅうがん)です。
極端な言い方になりますが、「空観」は「この世界は全て妄想(空)」という視点で、「仮観」は「この世界が妄想だと氣付いていない」みたいな言い方もできます。
この間に立った視点が「中観」となります。
「この世界って実は全て空ってのは知ってる。けどそこに何かしらあんだからそれには役割があるんじゃね?」
というような感じで「空観」と「仮観」の間に立つようなスタンスになる訳です。
もっと言ってしまえば
「空観」・・・・・自分含めこの世のモノは全て同価値に見えるよ。だってフィクションだもん。生きている事すら実は夢を見てるようなもんなのさ。
「仮観」・・・・・この世界にあるモノは色々な価値がある。世界はフィクション?何言ってんだ、訳分かんねー事を言ってないで働け。
「中観」・・・・・この世界って実は全てフィクションなんだけどそこに何かしらあるという事はそれには役割ってあるんじゃね?
みたいになる訳です。
うん、すげーざっくりな説明だね。
まとめ
んで、結局何が言いたかったかと言うと、僕的にはやっぱり「中観」の視点で生きていくのが良いのかな~、という事です。
「空観」はあまりにぶっ飛び過ぎててこの世界で生きていくのが嫌になってしまう場合もあるし、価値観としてあまりに高尚過ぎます。
空観に近い視点だけを持ってる人は他の人と交わる事は難しいでしょう。
俗世を捨てて山籠もりするようなタイプかもしんないですね。
「仮観」はややもすると「物質至上主義」となり、色即是空で言うところの「色」(物質)本位の視点ですから
「持ってれば持ってるだけ良い」
となり私利私欲が強くなり人生が「欲」に振り回されやすくなります。
そして「中観」はその間を取る視点、という訳ではなくて
「どっちの視点も持っている」
という事を言います。
もっと言うと
「自分の中に空観の自分と仮観の自分がいる」
みたいな感じです。
その双方の価値観をどちらもバランスよく保つ事がポイントです。
これらは全て「視点」とも言えるし「思想」とも言えるものなので「良い、悪い」というモノはないのですが、どちらかに偏り過ぎても生きづらいのかな~、なんて思う訳です。
なのでどちらの視点も持てるようになると生き方がだいぶ変わっていくんです。
またそうやって生きていると色んな人の価値観を理解しやすくなっていきます。
ここら辺については「竜樹」(ナーガールジュナ)の「中論」を読んで貰うとより深い理解が得られると思いますのでもし興味がある人はぜひ読んでみて下さい。
あ、一応言っておくと「竜樹」で検索すると某仏教系宗教のサイトとか出てきますが、「竜樹」やウチは某新興宗教とは一切関係ないですからね。
そこんとこだけはお忘れないようよろしくお願いします。
なにはともあれ、「空」(無)と「仮」(実)の両方の視点をバランスよく持っていきましょ~、という事でした。
んではまた
谷山 慶裕と言います。
自分が経験した事や学んだ事を元に「氣エネルギー」の重要性と楽しさを面白可笑しく伝えたいです。
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