あなたの師匠は誰ですか?

谷山です。

僕がこの世界に入った時、一番最初にトレーニングを受けたのはとあるヨーガの教室でした。

ヨーガ教室の名前は伏せますが、当時は全国展開されていてそこそこ知名度のある教室ではありました。

ぜっさん統合失調症中だった僕は、まず自分を立て直す為に家の近所にあったその教室の門を叩いたんです。

身体をメチャクチャ動かすヨーガだったので運動不足だった僕にとって氣持ちの良いトレーニング内容でした。

ただそれから通い始めて2か月ぐらい経つと、とある高額プログラムに参加するよう促されます。

「あなたのハートを開けましょう」

そんな触れ込みだったと記憶していますが、当時は仕事もしておらず、ヒマはヒマだったという事もありそのプログラムに参加する事にしました。

プログラム自体はかなりインパクトが強く、大声で叫んだり飛んだり跳ねたりするような内容だったのですが、終わってみればストレスも解消されとても清々しい氣分になったのを覚えています。

そこから更に半年ほど経つと、今度は「研修旅行」のお声がかかります。

その研修旅行にも参加する事にしたのですが、そこでとある出来事が起きました。

研修旅行中の出来事

そこのヨーガの修行体系を生み出した「創始者」の方は存命です。

トレーナー達はその創始者の事をまるで「神」のように崇めています。

今回の研修旅行にはその創始者の人も来られる、これは大変名誉な事なんだ、とトレーナーの人達もしきりに言っていました。

僕は「知らんがな」という感じではあったのですが、何となく「氣持ち悪さ」も感じます。

そんで実際に研修所で泊まる訳なんですが、夜になると何故かその創始者を喜ばす為に催し物をさせられます。

参加者がグループに分かれて色々な事をやるのですが、その時僕は何故か大声を出しながら太鼓を叩く役でした(笑)

「俺、何やってんだろう・・・・」

統合失調症の僕でもそう思うのは必然です。

金払って参加してんのに何か面白いよねw

そして、次の日のカリキュラムで色々なビデオを見せられた挙句、とつぜん大きな画面に

「〇〇(創始者)はあなたの師匠ですか?」

と大きく表示されました。

そしてトレーナーの人達が僕ら一人一人に

「〇〇はあなたの師匠ですか?」

と聞いて周ります。

すると聞かれた参加者は大きな声で

「〇〇は私の師匠です!」

「僕は〇〇に出会えて幸せです!」

とそれはもう元氣一杯に答えてます。

「マジかよ・・・なんだよこの雰囲氣・・・・これは俺も〇〇は師匠です!って言わないといけない雰囲氣じゃねーか」

なんて焦っていたらすぐに僕の番になります。

「〇〇はあなたの師匠ですか?」

「いや・・・・ちょっと分からないです」

と答えた瞬間に周りがシーンとなり、トレーナー連中はもちろん、周りの受講者達もこちらに目を向けます。

「それはなぜですか?」

「だってまともに話しした事も無い人を師匠って・・・・」

「なぜそう思うのですか?」

「いや、だから話しした事もない人を師匠と思える方がおかし・・・・」

「それはあなたの観念ですよね?あなたは研修に参加したのにまだ観念が取れないんですか?」

と、こちらのターンを無視してガン詰めしてきます。

「もう帰りたい・・・・」

と泣きそうになってた時、そこを取り仕切るトレーナーのリーダーがやってきて

「あなたは表に出て頭を冷やしてきて下さい」

と研修部屋を追い出されました。

追い出されてから一人になって

「俺、なんか間違ってる事言ったかな~」

なんて考えてたんですが自分の考えを曲げるつもりもなくそのまま研修部屋に戻ると、自分の存在なんか無かったように次のカリキュラムに進んでました。

「俺は置いてきぼりかい!」

と心の中で突っ込んだのも懐かしい思い出です(笑)

研修が終わって帰路に着く際、一緒に研修を受けてた人から

「何か悩み事がありそうだね。僕で良かったら相談に乗りますよ」

と言ってきたのがなかなかのウザさを感じました。

洗脳は氣付けないから洗脳

もうね、明らかに「洗脳」しようとしてきてるのがミエミエだったんですよね。

身体をメチャクチャに動かして大きな声なんかもあげさせて思考回路が止まっている状態を作り、動画で「本物の師匠に出会うのは奇跡」みたいな洗脳VTRを見せてからの「あなたの師匠は・・・・」ですからね。

愛深きゆえ・・・・・

逆によく周りの人達はあんな風に賛同できたもんだと思います。

みんな建前だけで本心は洗脳されそうな事に氣付いていたと思いたいのですが、ほとんどの人はそうではなく本当にそう思い込んでいたと思います。

ってな感じで長々と僕の経験談を書いてきましたが、実際に言いたかった事としては

「僕らは洗脳に氣付けない」

という事だったりします。

今回のヨーガ教室での洗脳はめっちゃ分かりやすい部類ではありましたが、実は僕らの生活の中に「洗脳」はめちゃくちゃ入り込んでいます。

どっからどこまでを「洗脳」とするかで見え方は違ってきますが、普通に生きてたらそれは「洗脳」だと思えないレベルで入り込んでいたりするんです。

内容が内容だけにあまりブログで細かく書く事は控えますが、多くの人の悩みは実は「洗脳」が生み出してたりもします。

なので、悩みを解決する時にはその人に入ってる洗脳を抜くだけで悩みが解決する事も多くあり、洗脳が解けると

「あ、悩み事自体が勘違いだった」

みたいな氣付きを得たりして、それ以降は同じ事で全く悩まなくなる事がほとんどです。

これを「ディプログラミング」と言ったりします。

ただ、さっきも書いた通り「洗脳」は入ってるのが当たり前なので、たまに自分でも分からなくなる時があります。

そういう時、僕は

「不生不滅」

という言葉を思い出すようにしています。

「不生不滅」は仏教用語ではありますが、完全に洗脳が解けた状態を表す言葉でもありますので、この言葉を思い出すたびに自分の中でディプログラミングが起きるんです。

この記事ではあえて「不生不滅」についての詳細は書きません。

興味がある人は調べてみて下さい。

そしてこの言葉をしっかりと噛みしめつつ、自分の中に入ってる洗脳を見つめてみるとスポン!と洗脳が解けるかもしれません。

何にせよ、自分を縛る外部からの「洗脳」を解きに解いて軽やかな人生を歩んでいきたいもんです。

 

PS カルトにハマるのはある意味で自由だけどそのヨーガ教室に洗脳されて家を売らされた人もそこそこいるので氣をつけたいですね。

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